古い建具の使い回し2010/11/12

写真は自分が以前使っていた仕事場です。(住まいは別でした)
昨日の古い建具の使い回しと言う事で思い出しました。
(映画とは関係ありません)

笠間の作家、藤本均さんが建てたものを借りて使っていました。
廃材を使って建てたもので、柱や梁は中古の電柱です。
窓という窓は古い建具の再利用です。
窯場は隣に自分が建てた小屋でした。
それも廃材で建てました。
残念ながら今はもうすべて解体されてしまってます。

工房の引越しは2度しているのですが、ここは2か所目になります。
手前に子供もいて懐かしく思います。
写真はたぶんここを借りた当時13年前(1997年)ごろ。
地主さんの要望で2年ほどで解体して出るという約束で借りました。
他に行く宛ても無く、幼い子供を抱えちょっと崖っぷちにいる気分でした。
寒い時はすきま風が身にしみましたが、
すぐ隣に高橋協子さんの仕事場があったので
行き来をして楽しく過ごした思い出もあります。
初めてのスタッフを入れたのもこの仕事場からでした。
当時かけ出しの自分と、そしてこの仕事場、よく来てくれたと思います。
彼女たちも独立して頑張っていますので応援して下さい。
楠田純子→http://www2.tbb.t-com.ne.jp/junko.kusuda/
山本雅子→http://kuntoudo.blog.shinobi.jp/
快く仕事場を貸して下さった藤本さんには今でも本当に感謝しています。

さや鉢2010/06/23

今日知人が自分の持っているさや鉢を借りて行きました。
さや鉢とは窯道具であります。
自分には以前さや鉢を使って炭化焼成(無釉で黒く焼き締めます)をしていた時期がありました。
たぶん14、5年ぐらい前だと思います。
その頃は仕事場を借りて制作していたのですが、たまたま隣の工房に薪窯の先生の所で修行されたTさんがいたので、さや鉢の使い方をいろいろと教えてもらい炭化焼成を試みていました。
急須、ビアタンブラー、擂り鉢などさや鉢の中に作品を入れてから
炭やワラ、モミを詰め込み焼成します。
黒く焼き締まった中に赤い火色がでたり、けっこう景色が楽しめて
雰囲気良く焼き上がってました。
その頃は窯で出来る事は何でも取り組みたいと意気込んでいた時期です。
そのさや鉢も今では出番が無く工房の片隅に埋もれてしまってました。
まだきれいなさや鉢、ぜひ、ご活用下さい。

型作り2010/06/14

嫁さんが窯業指導所で石膏の型を作っています。
指導所の職員の方々のお力を借りて
これから石膏を流し込むという所まで出来ました。
でも、今日は時間切れでまた明日という事のようです。
型作りは嫁さんの方が上手いです。
私の方は1日雑用でした。

白磁の釉薬2010/06/07

午前中は笠間焼伝統工芸士会の監査。
午後は家内を連れて益子へ。
嫁さんの土日は子供の部活の送迎などで
振り回されている事が多いので
ようやく今日になって個展の会場へと来た次第です。

写真のは白磁は重箱ですが、3段重が売れてしまったので
こちらの2段重を撮りました。
口径は6cm程のもので小さく可愛らしいです。
昨日来た陶芸家のSさんにこの釉薬は1号釉と教えたら
とても驚かれて、一個買って下さりました。
10年前から白磁に取り組んでいますが、
はじめは大西政太郎の本に紹介されていた
基本の調合 長石50 石灰10 カオリン10 珪石30
を施釉して焼いていました。
色々な土と釉薬を組み合わせていった結果
その調合が一番良かったからです。
それがある時から突然釉薬のメクレがひどくなり
今の1号釉へと変えたのです。
もちろんその時も色々とテストをしました。

白磁に限らずいろんな釉薬や土の試験を
自分の窯でしてきましたが、良いと思う結果がでると
誰でも知っている調合だったりする事が度々ありました。
そのうち自分は今ある物を上手く組み合わせる方が
性分に合っているように気が付きました。
だから、安直ですが手元にある誰でも知っている物を使って
作品を作るのが次第に自分の制作姿勢となっていきました。
普通のものを普通に作っています。
自分には誰でも出来る事を一生懸命取組むのが良いと
気が付きました。
クリエイティヴな才能に恵まれていないとつくづく思います。
けれども普通に作ってもそこに作った人の美意識が
反映されると信じていますのでそれで充分満足です。
白磁の仕事はそういう満足度が高いです。

黒の顔料あれこれ2010/06/01

昨日、下絵の黒の顔料が使い切ってなくなってしまった。
私は大正黒という顔料を好んで使っている。
が、残念ながら笠間では常備しているお店がないので
いつも取り寄せてもらっている。
残り少なかったので先日材料屋に頼んでいたのであるが、
訊ねてみるとまだ届いていないという話だった。
窯詰めで切羽詰っているので、大変困ってしまった。
仕方なく違う黒の顔料を買ってみたものの
試験しないで今回の窯でいきなリ使うのも怖い。
幸いにも益子で大正黒を売っているという情報を頂き、
さっそく嫁さんに出向いてもらい事無きを得る事が出来た。
せっかくだから、新たに購入した黒顔料M-700と亜鉛黒も
試験してみる事にした。
そうしたら今日になって材料屋から大正黒が
入荷したとの連絡を受けた。
もう1日早ければなあ、という気もしたけれども仕方がない。
おかげで黒顔料にはしばらく困らないだろう。

写真は高速道路の側道にて。
笠間パーキングまで2.4kmと書いてある。
久し振りの散歩。

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本当にありがとうございました。
信じられません。
今後ともよろしくお願い致します。

白磁2010/05/11

久し振りに白磁を制作しようと思いロクロ回りを掃除した。
白磁用のロクロの周辺は物置きと化していたので、
いざ制作へと気持ちが上向くまでが時間がかかる。
けれども、次の個展には少し紹介したいのと
ひまつり後の区切りもあり重い腰を上げた。

白磁はかれこれ10年ぐらい前から制作している。
10年前、魯山の個展で初めて紹介させてもらったのが
最初と思う。
それまで土物だったのが、いきなり白磁ばかりの展示となり
お客様の反応が怖かった。
けれども皆さん気に入って下さったので良かった。

白磁と言っても瀬戸の古い磁器ものをイメージしている。
瀬戸の基礎釉に瀬戸の半磁器土で、
釉薬を少し厚めに掛けてポッタリした温かみを作っている。
制作には鉄分やホコリなどに注意を要するので
土物と違いとても神経を使うのが難点。
食器としての使い心地は自分で言うのも何だが良い。
それだけに作りがいがある。

初個展の時のDM2009/11/13

先日まで工房の片付けに追われていたけれども、
懐かしい写真やらモノやらが色々出てきた。
自分の初個展の時のDMが出てきた。
独立して3年目の’95年なので今から14年前になる。
自主企画に近い個展であった。
写真屋さんにアレコレ注文つけて頼んで撮ってもらい、
版下屋さんにもアレコレ注文つけて出来上がったDMである。
駆け出しで実績も無いのでDMだけは一生懸命作った。
いやいや作品も。
今見てもこのDMは気に入っている。

数ものロクロ その32009/10/18

一日工房で仕事。

「数もの」ロクロといっても、どの程度作るものなのか、
人によってかなり違うだろう。
たとえば1日に湯呑みを何個挽くかという事で考えてみると、
修行時代、自分の場合1日400個挽いていた。
1時間に大体50個ほどというペースである。
向山窯では一番成績が低い。
親方で1000個。
私より一年遅れて入ったA君もやはり1日1000個近く挽く。
平均的にだいたい1日500個ぐらいは、という感じである。
もちろんロクロ目をきれいに消して寸法も正確にである。
数をこなせる事のメリットは
ロクロ上で土を自在に操れるようになるという事である。
逆にデメリットはロクロの技術に頼ってしまって
土という素材に対する瑞々しい感覚を失っていくという事である。
もう1つは、土に対する内面的な課題を見失なってくる。
これらが作家的な感性が失われるという所以の1つと思う。

数ものロクロ その22009/10/17

早朝から野球大会の準備。
帰って来てロクロ。

「数もの」ロクロの仕事を続けていくと、
先人の知恵に支えられて仕事をしている事に気付かされる。
親方をはじめ先人の知恵が自分の体に染み込んでいる。
自分の力などない。
ちっぽけな自分など、どうでもよくなってくる。
そこが、作家的な感性を失うと言われる所以かもしれない、が。
けれども、向山窯の湯飲みを作っていても
そこには逃れられない自分の姿がモノには現れてくる。
そこに気付くと何を作っても自分の仕事になってくる。
作家的な感性という言葉などつまらなく聞こえてくる。

数ものロクロ2009/10/16

あれ、もう金曜日、と、早い一週間である。
今日は窯焚きをしながらロクロ作業。

修行時代お世話になった工房(向山窯)は
3㎥の窯を週3回の焚き続けていた。
その頃は丁度バブル景気の時でもあり忙しかった。
お陰で4年間「数もの」の仕事をみっちりと勉強させて頂いた。
笠間の先輩の中には数ものばかりでは個性が潰されると
助言して下さる方もいた。
数ものロクロを習得すると作家的感性を失う、
という考え方が結構一般的だったような気がする。
自分は不器用なせいもあって
数を作る技術を身につける事の方が大事だった。
フツウの物を当たり前に作れるようになりたかっただけである。
そう目指した事で、失った物より得た物の方が大きいと思う。

写真は昨日と同じ踏み切りの反対側。
こちらはススキが優勢です。